自死遺族の方へ

自死遺族、自死遺族の方へ たいへん辛い状況にいらっしゃることとお察しします。
私も妹を亡くした自死遺族ですが、それでも、あなたの悲しみを完全に理解できるとは言えません。
あの時のことを思い起こすくらいしかできないこと、申し訳ないと思います。

まず最初に、ご自分を責めるのは、どうかおやめ下さい。
併設サイト「自殺防止について」で書いていますが、自死の根本の原因は、病気の「症状」だと思います。
何か、きっかけとなるような出来事があったかもしれませんが、それがすべてではないのです。
自死を防ぐことは、プロである医師にさえ、100%できることではありません。
どうか、ご自分を責めないで下さい。
あなたには、何の責任もありません。

今、自死遺族の方々の心の傷を癒すサポートをしていこうという団体が、できてきています。
インターネットでも、そうしたサイトはありますし、実際に、会合を開いて悩みを話し合える場を作っている団体もあります。

そうした自助グループがあるということ、頭の隅に、留めておいて下さい。
必要な時が来たら、いつでも頼れる場所があります。
一人で悲しんだり、悩んだりすることはありません。

人それぞれ、自死遺族となった経緯や、亡くした方との関係が違っていますから、すべて事情を把握し、理解するというのは、難しいことかもしれません。
ただ、「悲しい」という、その気持ちは、恐らく多くの人に共通の気持ちで、それを足がかりに、お話する機会を持てるのではないでしょうか。

私は、2000年から今までの間、時間の経過とともに、恨み続けるでもなく、無理に許すでもなく、自然と気持ちがある方向に変化してきました。
特に何かの努力をしたわけではなく、それでも、だんだん変化してきたことに、気づきました。

死後の世界について考えていたこととも関連するのですが、私に、今の妹が見えない以上、妹が今、私に何を望んでいるのか、そもそも何かを望んでいるのかすら、わからないのです。
はっきりわかっていることと言えば、生前言われた、このメッセージです。

「何言っても私の姉は一人きりなんだから、多分その幸福は誰より願ってる自信があります。今迄いい環境で育っていない分、自分で幸福見つけに行って、誰よりも幸福になって下さい。」

妹が結婚する時に、手紙に書いてくれたものです。

妹は、私の幸せを願ってくれていました。
なのに私は、私怨に支配されて、自分をないがしろにしようとしていました。

私のしていたことは、自分のわがままに過ぎない、妹を悲しませていることなのかもしれないと、思うようになりました。
そして、怒りや悲しみ、恨みを引きずったまま生きるには、人生はいささか長すぎるなとも、思うようになりました。

妹を失った直後、思っていたことは、こんな感じです。
「私の人生も、妹と一緒に終わってしまった。私は、あとはただ、死ぬ時を待って、おとなしく過ごすだけ」
「妹がしたかったであろうことを、私が代わりにやろう。そして、妹を傷つける人を、憎もう。妹を守れるのは、私だけだから」
そこまで思っていて、何度も「私も妹のところへ行きたい」と思っていました。

それが、「結婚しよう」と思った時、「私は、もう死にたいとは思わない」に変化しました。
そして出産を経て、「私が死んだら、周りの人が困る。子供の成長を見守る責任が、私にはある」という思いへ。
妹が自死した時、周囲がどのくらいの衝撃、悲しみを受けたか、私は、身をもって、よく知っています。
だから、その悲しみを、また家族に味わわせるのだけは避けなくてはと感じています。

今、あなたは、とても辛く、何もできず、時間が経つのを遅く感じたり、または早く感じたりと、どうすればいいか、わからない状態にあるのかもしれません。
ですが、少なくとも、私は、こうして、ゆっくりと変化することができました。
あなたにも、その可能性は十分にあるのではないかと思います。

このページは、あなたのお気持ちが行き詰まってしまうのを、できるだけ防げればと思って開設したものですが、決して、あなたが立ち直ることを強制するものではありません。

何を「立ち直った」の基準にするかは、人それぞれです。
そして、あなたが今「私は立ち直りたくない」「立ち直れないと思う」とお感じになっているならば、それこそがあなたの本当の気持ちで、いちばんに尊重したいと思います。

さきにも書いた通り、あなたは一人きりではないということ。
似たような状況で、似たような気持ちを抱えている人も、他にいること。
理解しあえる人と、出会えるかもしれないということ。
そして、話をしたいと思う方のために、門を開いている団体も、実際にあること。

それを、強く伝えたいと思っています。