うつ病とは?

うつ病とは?

今となっては、「うつ病」という言葉を知らない人はいないと言っても過言ではないくらい、ありふれた病気として、知識が広まっていますね。
病気に対する知識が広まって、皆さんの理解を得られることは、とても嬉しいことだと思っています。

ですが、まだまだ、誤解が多いようにも感じています。
こころの病は、目に見えるものではありませんから、誤解が生まれるのも、仕方のないことかと思います。

こちらでは、できるだけ分かりやすく、誤解のないように、理解していただけるよう心がけていきたいと思います。

では、まず、うつ病について、簡単にまとめてみましたので、ご参照下さい。

  1. 誰にでも起こり得る病気です。
    発症率は、平均すると、およそ7人に1人と言われています。
    これには性差があり、男性はおよそ10人に1人、女性はおよそ5人に1人です。
  2. 原因として、必ずしも心理的ストレスがあるとは限りません。
    原因となるストレスが何もない場合でも、自然と、うつ病にかかってしまう場合もあるのです。
    この場合、遺伝や環境が原因であるとは特定できず、「ひとりでに」発病したと考えられます(「内因性」と言います)。
  3. 「こころの病気」から「脳の病気」へと、認識が変わってきています。
    脳内の特定の物質が不足していることが、病状の原因となっていることが、わかってきました。
    抗うつ剤は、その物質を補うための薬で、それを飲むと、病状が改善されることが証明されています。
  4. 最近では、全体的にうつ病が軽症化しています。
    一般的なイメージである、家に引きこもって人との接触を避けるという症状が、人によっては出ないこともあります。
    人前では気を遣ってシャンとしている人でも、一人になった時に、人知れぬ苦しみを味わっている場合があるのです。
    外からはわかりにくいため、人に気を遣ってもらえず、「怠けている」と思われたりし、また自分でも「病気ではなくて怠けているだけなのでは?」と思ってしまうため、重症の人よりむしろ辛いのかもしれません。
    ひどいうつ状態の時、人は何をする気も起こらず、布団にくるまって、じっとしていることでしょう。
    むしろ、いくらかの元気が残っている、軽症の人こそが、その残ったエネルギーを「自分を殺す」ために使ってしまう危険性があるという点で、注意が必要なのかもしれません。
    気分変調性障害」として、「うつ病」の中の1分類にするという見方が主流です。
  5. うつ病にかかりやすい性格(病前性格)として、次のようなものが挙げられます。
    1. 几帳面で、真面目な完璧主義の人
    2. 気配りのできる、人に気を遣う人
    3. 物事に熱中しやすい人
    また、小学校高学年~中学校頃の年齢で、大人顔負けの几帳面さを発揮している子供がいるとしたら、その子供も、将来的に発病する危険性があるとされています。
    そうした傾向を少しずつ修正してゆくことで、予防できるそうです。
  6. 気分障害」という病気の中の1つです。
    以前は、うつ病躁病躁うつ病をまとめて「躁うつ病」と呼んでいたようですが、現在は「気分障害」と呼ばれることが主流になってきました。
    単極性気分障害躁病うつ病)」・「両極性気分障害躁うつ病)」と呼び分けることもあります。
    聞きなれない名前ですが、同じ病気です。
    ここでは、単極性気分障害の中の、「うつ病」と呼ばれる病気を取り上げています。
  7. うつ状態 → 通常の状態 → うつ状態 → 通常の状態 という経過を辿ることが多い病気です。
    うつ病の治療 ご本人」でも述べますが、診察・治療を受けていても、いなくても、症状には波があります。
    通常の状態の時には、うつ状態の時のような感覚はほとんど残りません。
    また、回復後に、後遺症(脳などの障害等)も残らないことがほとんどです。
やや極端な言い方になりますが、うつ病も、程度によっては、医師にかからずとも、自然に治るケースがあります。
誰でもかかる可能性のある病気で、さらに自然に治る可能性もあることから、「うつ病は心の風邪」という言い方もされていますね。
ただし、風邪も、こじらせると大変なことになります。
同じように、うつ病も、こじらせると、自殺という最悪の事態を招くことになりかねません。

また、仮に、「医師にかからずとも自然に治る」タイプのうつ病だったとしても、自然に治るのに1年かかるところが、医師にかかると、半年で治るといった場合も、大いに考えられます。
ですから、「大したことはない」と思う前に、まずは診察を受けてみるのがいいのではないかと感じています。

以前、コラムのようなもので、以下の図を使って説明したことがあります。

うつ病と風邪の違い■

うつ病とは?

うつ病は心の風邪」という言葉のみが広まり、うつ病に対する危機感が失われてゆくとしたら、それは、とても怖いことです。
上記のように、風邪は、「風邪」と「肺炎」という状態を経て、死に至るケースがありますが、うつ病は、うつ病であるというだけで、死に至るケースがあるのです。
風邪とは、上の図の緑ラインのみを指して言う病気であるのに対して、うつ病は、赤ライン全体を指して言う病気です。