統合失調症の治療 ご家族

統合失調症の治療 ご家族

身近な方々のご協力が、いちばん大切です。
ご家族の方が統合失調症と診断されたことで、不安な気持ちを抱えていらっしゃることと思います。
不安は、病気に対する知識を得ることで、一部解消されることがあります。
ご本人は、ご自身の病気を認めないかもしれませんが、それもまた、症状の1つである可能性があります。
お時間のある時に、少しずつ、統合失調症について、調べてみてはいかがでしょうか?

統合失調症の方に病識がないケースは、よくあることです。
ですから、受診のきっかけは、統合失調症ではなく、他の、やる気が起きない、夜に眠れないといった、統合失調症の症状の1つ、ご本人が困っていらっしゃることを主訴として、となることが多いかと思います。
ご本人が辛そうにしているのを見ているのは辛いから…など、受診に至るまでに、ご家族はたいへんな努力をなさっていることでしょう。
私も、結局は母を受診させることができなかったので、ご家族の皆さまのお悩みがどれほどのものか、少しは理解できているつもりです。
ですがやはり、受診に繋げ、継続的な通院に繋げ、ご本人の苦しみを、そして、ご家族の皆さまの苦しみを少しでも軽減できたらと、心から願っています。

  1. 治る可能性を信じて下さい。
    世間ではまだ、統合失調症に対する偏見も残っている場合があるでしょう。
    そんな中でご家族を支えてゆくのは、とても大変なことであると思います。
    けれど、医療はどんどん進歩しています。そして、ご家族の方が治る可能性は決してゼロではないのです。
    それを信じて、気長に取り組んでいって下さい。
  2. ご本人に病識がなくても、受診するよう、 できるだけ働きかけてあげて下さい。
    病識のない方に受診を勧めるのは、とても難しいです。
    私も、何度か母を説得して病院へ連れて行きましたが、「私は病気ではない」と言い張って、薬を飲むのを嫌がり、結局治療には繋がりませんでした。
    ですから、どうすれば治療を受ける気になってくれるか、私にも、正直わかりません。
    あまり強く勧めてしまうと、あなたとご本人との信頼関係が崩れてしまう可能性もあります。
    ご本人にソーシャルワーカーに相談するなど、いろいろなアプローチを試みて下さい。
    時間がかかってもいいので、何とか、働きかけてみて下さい。
    ですが、1つだけ、もしあなたが、ご本人を受診させられなかったとしても、ご自分を責めないで下さい。
    私も同じように、母を受診させられず、そのままにしてしまっています。
    そうするしかない場合もあるのだと、思うしかないのかもしれません。
    ご家族の健康も大切ですが、ご家族とあなたとの信頼関係も、とても大切だと思います。
  3. 再発の兆候を把握しておくことで、症状を軽減することが可能です。
    この病気は再発する可能性がありますが、あらかじめ再発の兆候を把握しておくことで、症状を軽減することが可能です。
    例えば「急に家事をしなくなった」「イライラするようになった」など、患者さんそれぞれに特徴的なことです。
    このような兆候が現れた場合には、すぐに受診するように働きかけてみて下さい。
  4. ご本人のお気持ちに、できるだけ添ってあげて下さい。
    ご家族の方は、たいへんなご苦労をされていることと思います。
    何を言っても聞き入れてもらえず、歯がゆい思いをされることも多いかと思います。
    ご本人と、思うように会話が進まず、焦ってしまうかもしれません。
    けれど、例えば被害妄想の場合、ご本人が感じていらっしゃる「迫害されている辛さ」というのは、紛れもない本物です。
    「迫害されているかどうか」の事実が問題なのではなく、「迫害されたらどんなに辛いか」の感情が問題なのだと思います。
    その辛さを軽減するために治療しているのだと思ってみてはいかがでしょうか。
    もしも自分がたった一人孤立して、周り中が敵だったら……?
    想像するのは難しいかもしれませんが、ご本人のお気持ちの一部でも理解できたなら、それは治療にとっても、プラスとなるように思います。
  5. 完治を目指さなくても、十分です。
    病気の完治を願うのは誰しも同じだと思います。
    ですが統合失調症の場合、社会に適応できるだけの順応力をご本人が持てるようになったら、そこで第一の目標はクリアできたと考えていいかと思います。
    社会に適応できるようになることで、ご本人のストレスは、格段に軽減されると思います。
    すると、ご家族であるあなたも、以前ほどには疲れることなく、ご本人と接することができるようになるかもしれません。
    病気を退治するとなると、とても時間がかかる場合があります。
    ある程度回復した段階で、「今の状態を維持しつつ、病気と仲良く付き合ってゆく」という考え方に切り替えるのも、とても有効です。