HOME > 自殺の原因

自殺の原因

自殺について、自殺の原因 時に、ニュースで自殺の話題が取り上げられることがあります。
こんな言葉を、よく聞きませんか?
「原因は、まだわかっていません」とか。
「病気を苦にしての自殺と見られています」とか。
これ、本当のことだと思いますか?
自殺に「原因」って、あると思いますか?

うつ病と同じように考えてみると、少し見えてくるものがあります。
うつ病は、基本的に「内因性」の病気であると言われています。

よく、「ストレスでうつ病になった」という話を聞くことがあります。
そういうケースがないとは断言できませんが、本当は、ストレスはほんの「きっかけ」に過ぎず、何か「きっかけ」があればすぐに発病するという、下準備のようなものが、あらかじめ体の中にあったと考えるのが一般的です。
これは、兄弟で、同じ環境で育ち、同じストレスを受けたとしても、発病する人としない人がいることで、おわかりいただけるかと思います。

私の考える「自殺」も、これととてもよく似ています。

妹が亡くなった時、警察で事情を聞かれました。
「何か心当たりはありますか?」
私は気が動転していたこともあって、「ずっと病気で苦しんでいて……」とだけ答えました。
警察の統計では、恐らく「病苦が原因」として扱われているのでしょう。

でも、どうでしょう。
病気で、とても辛い思いをしていました。
子供に、この病的な素質がうつってしまうのではと、気にかけていました。
金銭的にも、豊かであったとは言えません。
夫婦仲も、かんばしくありませんでした。

確かに、病気でさえなかったら、他の問題も出てくるようなことはなく、死のうなんて思わなかったかもしれません。

でも。
同じ病気にかかっている人が、すべて自殺するわけではありません。
病気の軽重や、性格の違いなどもあるとは思います。
それでも、冒頭に書いたように、妹は、「死にたいという衝動が来る」「それに逆らえない」と言っていたのです。
これを、「病気を苦にして、死を選んだ」と表現できるのでしょうか。

うつ病だけではなく、統合失調症の方の自殺率も、案外高いことが知られています。
統合失調症の症状として、「幻聴」があります。
耳鳴りとか、空耳とか言うのではありません。
耳から聞こえてくるのではなく、頭の中に直接響くように、人の声が聞こえるのだと言います。
「お前なんか死んでしまえ」
そんな声が聞こえた時、自分は決して死にたいとは思っていないのに、その声にはどうしても逆らえず、「死ななければ」と思って、死のうとすることがあると言います。

このような話を聞いていて、私は、自殺の原因とは、「病気の症状」ではないかと思うのです。
病気の症状による「衝動」。「幻聴」。
これこそが、直接の原因なのではないでしょうか。

例え病気を苦にしていたとしても、これらの症状さえなければ、苦しいながらも、「早く治りたい」と思いながら、治療を続けていけたかもしれません。
借金を抱えていたとしても、働き口を探す意欲が出てきたかもしれません。

「病苦」「借金苦」「いじめ」……。
世に取り沙汰され、ごく当たり前のこととして報道されているニュースは、もしかすると根本的に違うのではないかと思えます。
これらは、「きっかけ」に過ぎない。
「病気の症状」こそが、本当の原因なのではないかと。

人間は、そんなに単純にできているとは、私には思えません。
もっと複雑に、いろいろな要素が絡み合い、当人の気持ちが徐々に追い詰められ、そんな時に、たまたま近くに止める人がいなかったとか、追い討ちをかけるように辛い出来事があったとか。
世に「原因」と言われているのは、そうした、「きっかけ」「最後の一押し」に過ぎなかったのではないかと思います。

自殺に失敗した人は、案外ケロリとしていて、前後のことを覚えていなかったり、もう一度死のうという行動を起こそうとは思わなかったりするとも言います。
次に、その症状がやってくるまで、その人は死のうとはしないのではないでしょうか。
その時点で、病気も借金も、何も解決されていなかったとしても。