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死にたいと言う人は死なない?

自殺について、死にたいと言う人は死なない? どんな状況で、どんな口調で言ったかにもよるでしょう。
それだけに、これを「定説」としてしまうには、無理があります。

ただ、「死にたい」と言った人は、多分、「死なないで」という答えが欲しいのではないかと想像できます。
「死ぬしかない」とまで、自分を過小評価してしまった人が、自分を認めてもらいたいというサインのようにも思えます。

前触れもなく、突然亡くなる方もいれば、このように、小さなサインを出す人もいます。
やはり、さきほどから述べてきたように、「本当は死にたくない。誰か助けて」「誰か、私を必要だと言って」「私を止めて」というSOSのように感じられます。

私の妹は、「死にたい」と言って、実際、死んでしまいました。
うつ病と診断され、1年半ほどの治療を経ての出来事です。
しかし、「本当は死にたくなんかない」と言ったこともありました。
そのどちらもが、本音です。
だからこそ、止めたいのです。

甘えというよりも、切実な「助けを求める声」と言えるかもしれません。

また、妹の場合は、死の瞬間まで、しばしば、自殺を考えているとは思えない言動も見られました。
例えば、ずっと欲しかったものを買って、あるいはプレゼントされて喜んだり、一人暮ししたいと夢を持ったり。
「一人暮らしをしたら死ぬのだ」と宣言してもいましたが、同時に、「洗濯機はどうしよう、冷蔵庫を買わなきゃ」と言ってもいたのです。
死ぬ2日前まで、仕事を探していました。勉強もしていました。

当時の私は、その矛盾した言動に、戸惑っていました。
正直、「本当は死ぬ気はないのではないか?」と思ってしまったこともあります。
ですから、皆さんがそう感じるのも、無理のないことだと思います。

「死にたいと言っていても、結局死なないじゃないか」と、思うのも、正直な感想だと思います。
でも、「死にたい」と言って死ななかった人は、目には見えない回復をしていたのかもしれません。
どこかで、気持ちの切り替えができたのかもしれません。
死ななかったという結果から、「最初から死ぬ気はなかったのだ」と決めるのは、誤りだと思います。
「死にたい」と思った瞬間、程度の差こそあれ、そこに希死念慮が隠れていたかもしれないのです。

私には、その言葉に、「生と死の狭間で迷っている気持ち」が表れていたのではと思えます。
妹本人も、もしかして、意識していなかったかもしれません。

死の瞬間、それを逸らすことができさえしたら、止められたかもしれない。
そんな風に思うエピソードです。

気ままな一人暮らしで、コンピュータの勉強をし、資格を取って、能力を生かした仕事がしたい。
それが、妹の夢でしたから。